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碧の病院観察日記
菜月アキと皇桜華の観察日記
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なづっちゃんの仕事をしている姿は嫌いじゃない
ナースステーションで書類とにらめっこしてる横顔がむしろ好き
集中してるんだろうなとか、何か直したいんだろうなとか、どうしようと思ってるんだろうとか


そんな中、昨日はいつもどおりなづっちゃんの問診
ここ最近なぜか熱を出してしまった私はぽけぽけと質問に答えたり処置をされてたりしたんだけれど…
なづっちゃんもお疲れのようでそのうち船を漕ぎだした
気づいてないのを確認した私はとりあえず疲れのとれる何かを買いに行こうとちょっと体をふらつかせながら売店に行ったら3時のおやつを漁っていた藤堂先生に遭遇
手には…なぜかチョコぼんぼん…先生3時にそれはないんじゃ
むふふと笑って藤堂先生は手を振っていってしまった
それを見送り、目に付いたあずきバーを2本かって、けほけほしながら病室にかえってたら目の前からすごい勢いでなづっちゃんがやってきて、


ごちむ


殴らりた…痛いっ

「もー心配したでしょーっ!いま劉斗と未環ちゃんにも一緒に探してもらってたんだからーっ!!」

ぷりぷりいうその必死な姿に私は思わず笑ってしまって…、またげんこつをくらいそうだったのを私たちを見つけた劉さんがとめてくれた

「あげる。疲れてるときは甘いものだよーっ」

私は笑って売店で買ってきたものをなづっちゃんに渡したんだ…ただ、実はこれ以降の記憶がぱたり

今日の朝、幸ちゃん先生がクスクス笑いながら教えてくれたことには私は熱が上がって倒れて速攻病室へ舞い戻らせれたんだとか
ふにー…そかそかーあとでごめんねっていっとかないと…

「まぁでも無理はだめだよv」

考えごとをしてる横から声をかけられる
「はーい」と返事をすれば「じゃ今から点滴ねv」なんて言葉が返ってきた
ひくと頬をひきつらせながら今日もまた1日カラコロ日だなとそんなことを思ったわけです。






ここを謳った、詩
いや、歌えてないかもしれない、詩
取り留めもなく思い出しては書きつろう
むしろ単なる紙切れでしかないそれは
それでも流れてくるものもあるらしく
けれど、どこに記したかわからなくなる


それを探す旅をきっと未だ続けてる
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一日旅をしたおかげで気持ちは満腹。
思わず口元緩ませて仕事してたら、劉斗に白い目されたわ。あの子相変わらず生意気でムカツクわ。←愛。

引き続きぽうっと問診中。
・・・おかしいの。
さっきまでは桜華ちゃんと喋ってたはずなのに、いなくなっちゃったの。
おかしいわ。
目の前に居たはずなのに。
そういえば、お~いってヒラヒラと手を振られた気もするし・・・集中力も途切れ途切れだったし・・・
・・・・え?笑

ふむん。ま、いっか。
じめっとする梅雨が明けて入道雲が爽やかサンサン。
カーテンを押して涼しい風も吹いてるし。って伸びーってしてたら、ベッドサイドからひらりとメモ書きが。

ガラスの葉の唄は、じんわり聴こえた。
思い出さないのは忘れないからだけど、どれでもどこかにぽろぽろと零してしまうかもしれなくて、
その水滴を掬ってもらったような心地。

「―――・・・」

ステキな唄。


さて。
そんなステキな桜華ちゃんを捕まえてベッドに縫い付けなくちゃ。
あの子熱あったんだからもうっ!
笹の葉さーらさらー
のーきーまーにゆーれーる
おーほしさーまきーらきらー


病院の玄関にでかい笹の葉が設置されて
歌いながら短冊を飾り付けてたらこっちに近づいてくる人が見えた

「おーちゃーんっ!」

って飽きずに私の部屋にきてくれる双子が叫んでた
双子がきてくれるのを待って「こんにちわ」って
久しぶりになづっちゃんが病室にきてくれたときの「仲直りできてよかったね」と同じような笑顔で2人ともふんわり笑ってくれた
「短冊何かいたの?」
って春くんに聞かれて
「内緒」
ってこたえる私
笹にはみーんなの願いがつまってる
春くんの質問に答えてボーとしてたら秋くんにヘッドロックかまされたりして「内緒だとー!」って頭グリグリされて
笑いながら逃げまどう

少し暴れ疲れて3人で玄関に座り込んでたら冬くんがきてくれて夏さんに持たされたお見舞いのケーキをくれた
ご丁寧に5つ分
ちゃんとなづっちゃんが頭数に入ってるあたりさすがだと関心してしまう



病室にもどったらぷんすかぷんななづっちゃんがいて
思わず3人で笑ってしまった
冬くんは訳が分からないって顔してきょとんとしてた

ほーらなづっちゃん夏さんがくれたケーキだよーっ♪

ってケーキをちらつかせてからおとなしく採血されてケーキを食す





あぁ今年の七夕もまたにぎやか
今年こそ晴れて天の川を渡れる2人がいればいい
そっとドアから覗いてみたら、すぐに気づいた桜華ちゃんがひらひらと手を振ってくれた。

ぅにゃ・・・ごめんねぇっ!
ぴぎゃーっと抱きつく!!ごめんねっごめんねっ、ハイ今日の差し入れの金平糖!!
そんな、嫌そうな顔しないでよぉもう。

今日からはまたちゃんと検診来たげるからさって、でっかいはーとマークつけて言ってやった。
ふふふー、そんな顔したって嬉しいのバレバレなんだからぁv
とかじゃれてたら、ドン引きした双子がドアから後ずさろうとしたのを発見。
逃がすわけないじゃなーい☆

最近気づいたんだけど、この子たち。
桜華ちゃんが好きでこの病院通ってるのね、前は夏冬’sの云々で来てたくせに。
って、4人ベッドに並んでお喋りしてるときにつっこんでみたら、なんとびっくり。
おーちゃんと遊ぶの楽しいんだもん。
だってさ。
アラアラ。いい変化かしら。お母さんは嬉しいわv

なんかね、
ぐるぐる考えて時々泣いて空元気バレバレで笑ったりとか、偶に冷静に観察分析したりとか、
すぐ横で見てるのがおもしろいんですって。
笑いものっていう意味じゃなくてね、そういう人間らしいというか、自分の中の整理の付け方表への出し方が興味深いって。

・・・・。
賢い事言ってるこの子たち、ちょっとイヤだわ。笑

そんなこんなで。
今度からおやつは4人分用意しようと思いながら、いつもどおりの帰り道をいとしく感じたのでした。
なづっちゃんならきっとさ
それを見た瞬間に「そっかーよくなったんだー」ってさ大笑いしてごまかすと思ったんだよ


私の言葉を覚えていてくれるなら




みんなが去った個人病室はいつもしんと静まり返る
点滴のはずれた夕方は滴が落ちる音もなくて
たださわさわと木の梢が薄く開いた窓から聞こえるくらい

「うぬーやはりやりすぎたか…」

仕返しとばかりに数日現れてない看護師さんの顔を浮かべる
空になったベッドを見つめる目はとても寂しそうで
なんだか声をかけずらかった
それでも双子に両脇を抱えられて突撃アタック
双子も寂しかったんだぞーっていきおいで

いや1番寂しかったのは私かな

サワサワサワ

木の葉がこすれ合う音
うん…いつ聞いても綺麗な音
さーてと藤堂先生の検診かー
まぁーそのうちまた彼女の方がしびれをきらしてやってくるんだ



知ってるんだ
私より彼女の方が寂しがりやだってこと



ふふふ
静かに笑って彼女を待とうか
きっとそのうちやってきてまた手乗り地蔵を増やしていくの
そしたらまた新しい手乗り地蔵のフォーメーションを考えるんだ

それで苦笑いをしたなづっちゃんをまたお菓子の包みまみれの私で迎えよう






楽しい日々を思えば
寂しさなんて飛んでいくんだよ?
ね、そうでしょうなづっちゃん
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Member
碧の病院。
*菜月アキ*
碧の病院勤務の看護士。
皇桜華を担当中。
いつでもどこでも逃げ出す桜華に日々悩まされ、日々地蔵を増加させる。
地蔵の入手先は秘密。

*皇桜華*
碧の病院の入院患者。
なぜかすぐ退院できるはずだったのにいまだに入院中。日々菜月看護士に怒られながら生活。
病室の前には5体の地蔵が鎮座中。
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